—野球と介護はなぜこんなに似ているのか—
四月になると、世の中はやたらと“開幕”する。
桜が咲いて、新生活が始まって、
そして何より——プロ野球が開幕する。
今年もまた、日本プロ野球が始まると聞くと、なぜか少しだけ背筋が伸びる。
特に広島東洋カープファンなんかは、この時期だけは優勝を信じている(※毎年言ってる)。
さて、この「開幕」という言葉。
実は介護の現場にも、よく似た瞬間がある。
それが——
四月の体制変更と新しい利用者の受け入れ。
野球で言えば開幕戦。
介護で言えば「新年度スタート」。
どちらも共通しているのは、
“最初だけやたらと気合いが入っている”
開幕前の野球選手はこう言う。
「今年は仕上がってます」
「コンディションは万全です」
一方、介護現場。
「今年は余裕を持ってやりましょう」
「しっかり連携していきましょう」
そして一週間後。
野球:打率 .143
介護:もうバタバタ
だいたいこうなる。
さらに似ているのが「采配(さいはい)」だ。
野球には監督がいて、オーダーを決める。
誰をスタメンにするか、どこで交代するか。
介護で言えば、これはもう完全にケアマネの仕事である。
・どのサービスを入れるか
・どのタイミングで変更するか
・誰に任せるか
つまり、
ケアプラン=スタメンオーダー
でもここで問題が起きる。
野球と同じで、机上のオーダーはだいたい予定通りにいかない。
「この人は安定してるから大丈夫」
→急に体調崩す
「このサービスで回るはず」
→全然回らない
「この職員なら安心」
→まさかのシフト変更
野球で言えば、
エース炎上、主砲不調、リリーフ崩壊
である。
そして現場で起きるのは、
「ちょっと予定変えますね」
この一言である。
でも、ここが面白いところ。
野球も介護も、完璧にいかないからこそ成立している。
予想通りにいかないから考えるし、
うまくいかないからチームになる。
あと、もう一つだけ大事な共通点がある。
それは——
ヒーローはだいたい“目立たない人”
野球なら、地味に守備で支える選手。
バントを決める人。四球を選ぶ人。
介護なら、
・何も言わずフォローに入る職員
・空気を読んで動く人
・トラブルを未然に防ぐ人
ヒーローインタビューはされないけど、
いないと試合(現場)が崩壊する人たちだ。
四月、開幕。
今年もまた、完璧にはいかない一年が始まる。
でもそれでいい。
野球も介護も、
「だいたい想定外」でできている。
だから最後はこう言おう。
「とりあえず、今日は勝ちで」
(※現場的には“事故なし・無事終了”の意味)
さあ、新年度。
プレイボール。




