ヤングケアラー

皆様、ヤングケアラーという言葉をご存じでしょうか。

法令上の定義はありませんが、一般に、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子どもとされています。

最近、各方面からこの言葉を聞くようになりました。

問題としては、以前から認識されていたようですが、私の勉強不足に加えて、、、

社会的な認知度として比較的低かった、ということもあり、、、、

私自身ケアマネジャーになった当初は、こういった言葉を聞いたことはなく、、、

耳にするようになったのは、ここしばらくのことです。(少なくとも、ヤングケアラーという表現で耳にしたことはなかったと記憶しています)

さて、そのヤングケアラーですが、実際にどれくらいいるのかといいますと、、、

中学2年生の5.7%(約17人に1人)、全日制高校2年生の4.1%(約24人に1人)、定時制高校2年生相当の8.5%(約12人に1人)、通信制高校性の11.0%(約9人に1人)に世話をしている家族がいるそうです。

厚生労働省が文部科学省と連携して行った「ヤングケアラーの実態に関する調査研究」(2021年4月)中高生調査結果より

基本的には、兄弟の面倒をみているという回答が多いものの(中2は約6割、その他は約4割)、身体・精神障害や要介護などが理由で父母・祖父母の面倒をみている、という回答が4~6割となります。

また、ヤングケアラーがお世話にかけている時間は、平均1日4時間程度必要で、7時間~という人も1~2割いるようです。

一方、世話をしているためにできていないことは?という質問に対しては、「特にない」が5割以上を占めており、次いで高いのは自分の時間がとれない、という回答になります。

また、相談をしたことがない、という回答が、およそ6割程度、その理由として、誰かに相談するほどの悩みではない、という回答も6割程度。ついで高いのは相談しても変わるとは思えない、という回答です。

世話をしている家族がいる人たちへ、大人や学校に助けてほしいことは?という質問には「特にない」で約4割。ついで「学校の勉強や受験勉強など学習のサポート」や「自由に使える時間がほしい」となっています。

こういった回答をみますと、ヤングケアラーの大まかなイメージとしては

そういった大人が担うと想定されている家事や介護を、

「あたりまえのことと」として、うけいれるか、、、

あきらめにも似た気持ちになってしまい、、、

基本的には人には相談をしない、、、。

気持ちとしては「自由に使える時間がほしいな」「勉強のサポートなどほしいな」と思いながらも、、、

特に助けてもらいたい、ということを思っておらず、そのために強く発信をすることもない、、、

といった所でしょうか。

しかし、平均約4時間、7時間の支援をする人も1~2割いる、、ということですから、、、

当然、学業や自分のやりたいこと、には制限がかかることが予測されます。

介護の専門職はこれまで、家族は介護力、資源の一部、ということで、これを活かすことを考えてプランを作成してきました。

それは間違ってはいませんし、これからもそうあるべきだと思います。

ですが、「過度な介護力」を家族、とくにヤングケアラーに期待することについて、、、、

今回の調査から見えてくるものがあったと思います。

(もちろん、家族全体を支援する視点をもつよう教育されますので、普通は過度な介護力を家族に求めるケアマネさんはいないと思います、、、制度の問題、例えば家族の支援者に直接家事支援する公的制度がない、とか、、、基本的にレスパイトになれば入所、ショート、デイ、といった公的制度しかなく、多様性がない。それなら望む暮らしに沿わないので、サービスは受け入れられない、、→家族支援しかない、、、なども理由でしょう)

それでも、「はっ」としたのは、

ヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム報告のとりまとめ(2021年5月17日)に記載があった以下の言葉です。

「ヤングケアラーがケアをする家族に対しては、すでに医療、介護、福祉等の機関や介護支援専門員、相談支援専門員等専門職の関わりがあることも一定数あるが、そのなかには、ケアを要する家族と同居する子どもは、中高生であっても福祉機関や専門職から「介護力」と見られてしまい、しかも大人の介護者と同等に扱われているため、ヤングケアラーによる介護がなされることを前提とした福祉サービス等の利用調整等が行われるケースがあるとの指摘がある」

当然、家族全体を支援する視点が必要なのは、どのケアマネジャーさんもご理解しているとは思いますので、偏りや負担が重くなりすぎないよう、今ある資源を調べて提案などをしているわけですが、、、、

上記のような理由があり、、、

現実問題として、負担がかかりすぎているご家族さんがいたりするわけです、、、、。

個人の望む暮らしと、今ある公的なサービスとが沿わないため、利用ができず、負担が減らない、、、

かといって、全ての人の理想通りのサービスを、完全にオーダーメイドで提供できるわけもなく、、、

この辺りはどれだけ社会が発展しても、ちょっと実現は難しいのかもしれませんが、、、

やはり、こういった問題があることを意識していることは大切ではないかと思っています。

もしも、渦中にあるヤングケアラーの方に出会う場面があれば、、、

「あなたは今、こういう状態だから、支援が必要です」

などといった助言ができたり、、、

行政なりにつないで、何か、少しでもプラスになることができるのではないか、、と思うのですが、、、

皆さんはどう思われますか?

最後に、もしも周りにヤングケアラーに該当するのでは??という人がいましたら、、

ぜひ、専門機関につないであげてください。

相談窓口

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 電話番号:0120-0-78310なやみいおう(フリーダイヤル)
 受付時間:24時間受付(年中無休) ※通話料無料

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 電話番号:0120-007-110
      IP電話の場合はこちら(法務局電話番号一覧(通話料有料))から
 受付時間:平日8:30~17:15 ※通話料無料
      土・日・祝日・年末年始は休み

 子どもに、家族にどう向き合ったらいいんだろう・・・。自分の気持ちとどう付き合ったらいいんだろう・・・。「おうちのなか」の困りごとは話してもいいのかな・・・。家の事に精一杯で自分の事が手につかない・・・。家族の事が気がかりで家を空けられない・・・。不安で落ち着かない毎日、誰かとつながることで乗り越えられることもあると思います。そんな時は是非、精神保健福祉士にご相談ください。

日神保健福祉士協会「子どもと家族の相談窓口」(外部リンク)「子どもと家族の相談窓口」相談専用メールアドレス(24時間受付)
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