――介護のICT化・DX化と、変化をためらう気持ち」
キャッシュレス、生成AI、サブスク、タイパ重視。
世の中はここ数年で、驚くほど「便利」になりました。
介護の現場も同じです。
記録はタブレット、連絡はチャット、計画書はクラウド。
ICT化・DX化という言葉は、今や特別なものではありません。
本来、これらは現場の負担を減らすための手段です。
紙を減らし、転記をなくし、
利用者さんと向き合う時間を取り戻すためのもの。
それでも、変化に対して戸惑いや抵抗を感じる人がいるのも事実です。
ここで大切なのは、
「変わりたくない人」と一括りにしないことだと思います。
多くの場合、背景にあるのは怠慢ではなく不安です。
「覚える時間がない」
「失敗して迷惑をかけたらどうしよう」
「今までのやり方を否定されている気がする」
長年、紙と経験で現場を支えてきた人ほど、
変化は“合理化”ではなく、
自分の価値が揺らぐ出来事として映ることがあります。
また、介護は正解が一つではない仕事です。
数字や入力項目に落としきれない
「気づき」や「勘」を大切にしてきた人ほど、
ICT化に違和感を覚えるのも自然なことです。
だからこそ、DXは
「導入するか・しないか」ではなく、
**「どう寄り添って進めるか」**が問われます。
一気に変えない。
できる人から、できるところから。
「慣れるまで一緒にやる」時間を惜しまない。
ICTは、人を選別する道具ではありません。
現場にいるすべての人を、
少しでも楽にするための支えであるべきです。
便利さを押しつけるのではなく、
不安を言葉にしてもらい、
納得のスピードに合わせて進む。
その積み重ねが、
ICT化・DX化を「負担」ではなく
「味方」に変えていくのだと思います。




